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建物・自動車などの安全

ガラスの破損事故による事故事例調査結果

  • ガラスによるケガの分析~突風・竜巻・台風によるガラス破損事故
    • 〔1〕1994年9月 静岡県浜名郡新居町
      1994年9月、台風の影響によるものとみられる竜巻が静岡県浜名郡新居町で発生。
      町立新居小学校の窓ガラス約160枚を割ったほか、民家の屋根がわらが飛んだり、物置が倒れるなどの被害がでました。新居小学校では、父母が教室の割れたガラスなどを片づけ、一部児童は体育館で授業を受けました。また、調理室の窓ガラスも破れたため給食を中止にし、午後は臨時休校になりました。(毎日新聞)

    • 〔2〕1996年7月 茨城県下館市周辺
      1996年7月、茨城県下館市周辺で「ダウンバースト」と見られる突風が発生。68歳の男性が屋根から落ちた太陽熱温水器のガラスで頭を打って重体となりました。突風は雹(ヒョウ)を伴い、市内の小学校でも児童5人が軽傷。又JR川島駅では割れた窓ガラスで、女子学生2人がケガをしました。駅員は「5分くらいの間、待合室を横殴りの雨や雹が吹き抜け、真っ白になった。14~15人の学生が自動販売機の影に身を寄せていたが、ゴーという音で、悲鳴もかき消された」とその時の様子を話しています。(日本経済新聞)

    • 〔3〕1996年7月 千葉市内及び佐倉市
      千葉市内で2つの竜巻が相次いで発生、千葉市内で6人が重軽傷を負いました。竜巻は千葉市東部と佐倉市南部で発生し、帯状に北東方向へ約15キロを疾走、周辺の約10万3000世帯が最高5時間停電しました。市内若葉区では27歳の女性と子ども3人が割れた窓ガラスで顔などを切り、軽傷を負いました。(読売新聞)

    • 〔4〕1999年9月 愛知県豊橋市周辺
      台風18号による大気の影響で発生した竜巻が、豊橋市内の小中学校や保育園を襲い、飛び散ったガラスの破片で200人以上の児童や生徒がけがをしました。
      最も被害の大きかった中部中学校では、三、四階建ての校舎三棟が直撃を受け、うち一棟の窓ガラスがほとんど割れて飛び散りました。竜巻の接近時の様子を教室にいた女子生徒は次のように話しています。「怖くなって窓と反対側に逃げたけど、一部の子は面白がって窓側に近寄った。その時突然バンという音がして教室の窓ガラスが砕け散り、私も割れたガラスが横腹に刺さった。」
      中部中学校周辺の商店や住宅も被害を受け、学校前の民家の主婦は「突然、家の二階のガラスが全部割れて、部屋の中に散乱した。周囲の家もみな同じ様子。」と興奮気味に話していました。(1999年9月24日、中日新聞から抜粋)

  • ガラスによるケガの分析~地震によるガラス破損事故
    • 〔1〕大規模地震対策特別措置法
      1978年6月に「大規模地震対策特別措置法」が制定され、静岡県を中心に隣接の各県の一部を含めて「地震防災対策強化地域」が指定されました。その後、全国各地で地震が起き、その度に耐震対策が見直され、検討されてきました。とりわけガラスによる被害は大きく深刻で、開口部の安全対策の強化が急がれています。

    • 〔2〕1994年12月 三陸はるか沖地震
      1993年1月の「釧路沖地震」(マグニチュード7.8)、94年10月の「北海道東方沖地震」(マグニチュード8.1)、94年12月「三陸はるか沖地震」(マグニチュード 7.5)とわずか2年の間に日本列島の太平洋側の海底を震源に起きた大地震は、ガラスの耐震性について新たな盲点があることを示唆しています。
      三つの地震で被害の大きかった釧路市、根室市、八戸市はいずれも震度6(烈震)の激しい揺れに見舞われました。ところが、地震の規模(マグニチュード)が一番小さく、震源までの距離も遠い「三陸はるか沖地震」が、負傷者や建物の被害がもっとも大きかったという結果が出ています。地震直後の調査で、死者3 名、負傷者688名(八戸市内だけで596名)と「北海道東方沖地震」の負傷者435名をはるかに上回っています。これは、ガラス破損による負傷者が他の地震に比べて圧倒的に多かったためとみられています。
      八戸市の中心部では、激しい揺れによって、床から天井まである商店の大型のショーウィンドーやビルの窓ガラスが各所で割れ、歩道や車道に飛び散りました。なかには表通りに面した窓ガラスの半分近くが割れたというスーパーもありました。
      大型のガラスだけではなく、家庭や学校など一般の窓ガラスもかなりの数が割れました。病院で手当てを受けた負傷者の大半が、室内に散乱したガラスの破片で手や足にケガをしています。青森県の被害集計によると、八戸市の公立小中学校55校のうち半数以上の31校から窓ガラスの破損が報告されています。このうち、100枚以上割れた学校が3校もありました。
      また、この地震の余震(マグニチュード6.9、震度5=強震)でも、割れたガラスの破片で20数人が負傷しています。さらに全面大きなガラスが使用されている郊外のパチンコ店の被害も報告されています。1985年10月におきたメキシコ地震では、震源から400キロも離れたメキシコ市が2分半から4分に及ぶ横揺れに遭いました。500棟のビルが崩壊、約1万人の死者が出ました。当時現地を調査した守屋喜久夫日本大学教授(応用地質学)は、「長い横揺れで、地上の建物の固有周期と地震波の周期が一致すると共振現象が起きて予想外の被害になる。八戸市でガラス被害が多かったのも、それと関係があるのかもしれない。」と話しています。(1995年1月17日、読売新聞から抜粋)

    • 〔3〕1995年1月 釧路沖地震
      東京大学社会情報研究所によると、震度6を記録した「釧路沖地震」は釧路市内に大きな被害を及ぼしました。家具の倒壊によるガラス破損、シャンデリアなどの落下による負傷者も出ました。「食器棚を押さえていて、破片で手を切った」「停電中、足元のガラスを踏み抜いた」などの訴えが目立ち、負傷例の約4分の1がこうした切り傷でした。

    • 〔4〕1995年1月 阪神淡路大震災
      淡路大震災では市街地のビルが大きな被害をうけていますが、最新のガラス張りのビルには大きな損傷はなく、ガラスの被害は古いビルに集中していることがわかっています。比較的新しいビルは外壁への衝撃を和らげる工法がとられているものが多く、ガラスへの被害が少なかったようです。古い建物には窓枠とガラスとのすき間が狭かったり、 78年以降は建築基準法で基本的に使用が禁止されている硬化性の材料(パテ)を使ってガラスを固定している窓が多く、被害はこうした建物に集中しています。(95年2月6日、朝日新聞)

  • PL法と訴訟問題

    PL法が1995年7月に施行されて以来、各地でさまざまな訴訟が起きています。PLとは、product liabilityの略。消費者が製品の欠陥により被害を被った場合、過失の有無を問わず製造者が責任を負うという考え方です。
    米国では製造者側の無過失責任が問われる制度が既に確立していましたが、日本では、民法709条などによって、消費者側が製造者の故意または過失を立証しなければ責任を問うことができないとされていました。
    1992年になって国民生活審議会で立法化が審議され、ようやく、日の目を見ました。
    PL法などで法律による規制が厳しくなることによって、従来の和解締結により被害救済の内容や方法はどんどん変化してきています。以下は、ガラス破損事故の訴訟例です。

    安全ガラスを使用せず、で市が敗訴
    愛知県内の大高公民館で小学校2年の男児が玄関のガラスに激突し、ガラスの破損によって死亡した事件で、1987年11月13日、名古屋地裁は、公民館を管理している市に対して「開口部の安全設計指針」などによる安全に対する配慮を欠いたとして、児童の父兄からの損害賠償を認める判決を下しました。使用していたガラスは、厚さ5ミリの普通板ガラスでした。建物の管理者に、上記の「安全設計指針」を遵守する責任があることを認めた判例として注目されます。
    一般ガラス使用のため訴訟に
    1996年9月、S県のショップで買い物をした会社員の男性が、急いで店を出ようとし、誤ってまだ開ききっていないガラスの枠付き自動ドアに激突、手に重傷を負いました。傷口が深く、後遺症の心配が残っています。枠付きの自動ドアに使用されていたガラスは、強化ガラスではなかったため、ケガが大きくなったと思われます。この事故で、会社員は自動ドアについて、ショップの安全性確保が不十分だったとして、経営者を相手取り訴訟を起こす動きに出ています。自動ドア業界の関係者の話によると、「現在使用されているガラスの枠付き自動ドアの90%は、安全ガラスが使用されていないのが実情」ということです。

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