防災安全合わせガラス
とは?
「防災安全合わせガラス」とは、2枚の板ガラスの間に合成樹脂の中間膜をはさみ、熱と圧力で圧着した合わせガラスで、その中間膜が60mil以上のものをいいます。2枚のガラスが強力に接着されているので、耐貫通性に優れ、万一破損しても破片がほとんど飛び散りません。このため、台風、地震、人体のガラス面への衝突事故に対して高い安全性を発揮し、被害を最小限に抑えることができます。また、防犯や防音性にも優れ、経年劣化もほとんどないのでメンテナンスも不要なガラスです。
※「防災安全合わせガラス」は一般社団法人 板硝子協会の会員であるAGC(株)、日本板硝子(株)、セントラル硝子プロダクツ(株)が製造する合わせガラスの共通呼称です。
中間膜の厚み | 呼称 |
---|---|
60mil以上 | |
30mil以上 60mil未満 |
安全合わせガラス |
30mil未満 | 合わせガラス |
- 飛来物が当たっても
貫通しにくい
台風などの対策被害対策において、風圧に対しては、耐風圧計算に基づいた適切なガラス厚の選定で対応可能ですが、飛来物の衝突に対しては、割れても破片の飛び散らない「防災安全合わせガラス」の導入が極めて有効です。
- 割れても
破片がほとんど飛散しない
飛散率とは、ガラスを強制的に破壊して、全体の何%が破片として飛散したかを重量比で表したものです。一般のガラスは約50〜60%が破片として飛散してしまうのに対して、「防災安全合わせガラス」の飛散率は約1%です。
破損時の飛散率※
- 防犯性能が
得られる
警察庁・国土交通省・経済産業省と一般社団法人 板硝子協会を含めた民間関係団体で構成される「官民合同会議」で、防犯面で想定される試験を実施し、合格したもののみ防犯性能の高い建物部品として認定、「CPマーク」の使用が認められます。「防災安全合わせガラス」はこの「CPマーク」対象品として認定されています。
- 紫外線を
ほぼ100%カット
「防災安全合わせガラス」は、中間膜によって太陽光に含まれる紫外線を99%以上カットし、家具や壁面などの色あせを抑えます。
こんな施設におすすめ
- 小・中・高等学校
- 保育園・幼稚園
- 病院・福祉施設
- 区役所・市役所
・町役場 - 警察・消防施設
- 大規模商業施設
・ショッピングモール
・コンサートホール
省エネ効果の高いエコガラスとの組み合わせも可能
「防災安全合わせガラスエコガラス(※)仕様」は、優れた断熱性能と遮熱性能を持ったLow-Eガラスと防災安全合わせガラスを組み合わせた複合型の高機能複層ガラスで、防災機能の強化と環境への負荷を軽減した省エネルギー機能の強化の両立が可能です。
※エコガラスは一般社団法人 板硝子協会の会員であるAGC(株)、日本板硝子(株)、セントラル硝子プロダクツ(株)の三社が製造するLow-E複層ガラスの共通呼称です。
また、学校施設の長寿命改修や施設環境の向上にも優れており、平成28年省エネルギー基準にも準拠しています。
詳細はこちらのセミナー動画をご覧下さいガラスによって、安全性能は大きく異なります
建物に使用される窓ガラスにはさまざまな種類があり、設置場所に合わせた選択が必要です。
災害や事故に対する高い安全性が求められる場所では、「防災安全合わせガラス」が優れた効果を発揮します。
防災安全合わせガラスは
割れにくく割れても破片が飛び散らない
- FL3+60mil+FL3
- フロート板ガラス
FL5 - 網入板ガラス
PW6.8 - 飛散防止
フィルム貼りガラス
FL5+50μm
ガラス種類 | 衝突物による 貫通防止 |
破片の飛散 脱落防止 |
飛散脱落 破片の安全性 |
人体衝突時の 安全性※1 |
|
---|---|---|---|---|---|
(FL3+60mil+FL3) 中間膜厚60mil以上 |
◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
強化ガラス
|
× | ×※1 | ◎ | ◯ |
飛散防止フィルム貼りガラス
|
△ | ◯ | △ | △ |
網入板ガラス
|
× | △ | △ | × |
板ガラス
|
× | × | × | × |
※1:飛散防止フィルムを貼ることにより飛散防止性能を付与することができる。
-
- ◎:高い安全性が得られる
- ◯:効果が期待できる
- △:ある程度効果がある
- ×:効果が期待できない